Coinbase、Claudeを活用してカスタマーサポートと業務効率を強化
業種：
金融サービス
会社の規模：
ミディアム
製品：
Claude Developer Platform
所在地：
北アメリカ
99.9999%
顧客の資金へのアクセス可用性
35～50個のアプリケーション
社内CB-GPTプラットフォームを使用して構築
問題
ソリューション
業界をリードする仮想通貨取引所、Coinbaseは、AI駆動型のカスタマーサポートチャットボット、エージェント支援ツール、ヘルプセンター検索を強化するためにClaudeを採用しています。これにより、顧客体験が向上し、プラットフォーム全体の運用効率が改善されます。現在100以上の地域をカバーし、四半期の取引高2,260億ドルに達します。
Claudeを活用することで、Coinbaseは以下を実現しました。
- 顧客対応型チャットボットの自動化率の向上
- カスタマーサービスの処理時間の短縮
- AI を活用したヘルプセンターの検索関連性の大幅な改善
- 1時間あたり数千件のメッセージを処理できる能力
- 数百万人のユーザーへのサポート
暗号通貨カスタマーサポートにおける拡張性と一貫性への課題に対する取り組み
Coinbaseは、取引量と顧客からの問い合わせが予測不可能に急増する中、日常的な問い合わせの自動化、人間のエージェントの支援、ヘルプセンターの機能強化、需要急増時の迅速な拡張、厳格なセキュリティとコンプライアンス基準の維持を実現するするための柔軟なAIソリューションを必要としていました。
CoinbaseのシニアエンジニアリングマネージャーであるVarsha Mahadevan氏は、次のように述べています。「暗号経済は予測不可能な性質のため、特有の課題をもたらします。トラフィックパターンは不安定で、アクティビティが突然かつ激しく急増することがあります。こうした急増をシームレスに処理するためには、高可用性を優先するソリューションが必要でした」
Claudeを選択、パフォーマンス、柔軟性、セキュリティ重視で
Coinbaseは、Claudeのパフォーマンス、マルチクラウドの柔軟性、堅牢なセキュリティ機能を評価してClaudeを選定しました。CoinbaseのシニアエンジニアリングマネージャーであるVarsha Mahadevan氏は次のように述べています。「Claude は社内テストですべての競合他社を上回るパフォーマンスを発揮し、当社のニーズに合った最適な選択肢となりました。AWS BedrockとGoogle Vertex AIにおけるそのパフォーマンスと可用性が、当社の意思決定において重要な要素になりました」
CoinbaseのClaudeを活用したマルチクラウド戦略は、変動の激しい暗号資産市場における課題に対応しています。Mahadevan氏は次のように説明します。「当業界では、お客様が自身の資金に継続的にアクセスできることが不可欠です。私たちは、ほぼ連続的な稼働時間と信頼性を実現するために、99.9999%の高可用性達成にコミットしています」このアプローチにより、高可用性と効果的なロードバランシングが確保され、冗長性を通じてセキュリティが強化されます。マルチクラウド構成は、さまざまなクラウドプラットフォーム間でAIモデルの割り当てを管理することで、パフォーマンスとコストを最適化します。
Mahadevan氏は、さらに続けます。「Anthropicのマルチクラウドソリューションは、その規模、パフォーマンス、セキュリティにおいて際立っており、当社の運用ニーズとお客様の期待に沿ったものとなっています。当社のパフォーマンスベンチマークを上回り、セキュリティ要件をすべて満たすため、理想的なソリューションとなりました」
Claudeを顧客対応システムと社内システムに導入
Coinbaseは、対話型AIシステムのリリースに先立ち、Anthropicのチームと何度か協働セッションを行いました。Coinbaseは、自社のシステムアーキテクチャをAnthropicに説明し、AIチェーンで使用されているプロンプトを共有しました。Anthropicは、Claudeのプロンプトを最適化するためのフィードバック、ベストプラクティス、助言を提供しました。Coinbaseはこのフィードバックを自社の実装に組み込み、Anthropicの専門知識に基づいてアプローチを改善しました。さらに、Anthropicは自社の複雑な内部プロンプトの例を共有し、これによりCoinbaseはClaudeへの指示をより効率的に構築できるきっかけとなりました。
Coinbaseは、Claudeを以下の3つの主要システムに統合しました。
- カスタマーサポートチャットボット：Claudeを使用するエージェント型システムで、堅牢な財務コンプライアンスガードレールを備え、クエリの言い換え、応答の生成、出力スタイル設定を実行します。
- エージェント支援ツール：人間のエージェントが回答案の作成、手順の説明、関連情報へのアクセスを行う際に支援します。Mahadevan氏は、次のように述べます。「お客様への回答を複数の言語で改善するために時間や労力を費やす必要がないことは、非常に効率的です」
- ヘルプセンター検索：Claudeを使用して、Coinbaseの既存のナレッジベースと顧客データを活用し、検索結果の関連性を高め、簡潔な回答を生成します。
また、Coinbaseは迅速な実験と開発向けに、AIを活用したアプリケーションを構築するための社内プラットフォーム、「CB-GPT（Coinbase GPT）」を開発しました。「これまで、35～50以上のアプリケーションを構築しました」とMahadevan氏は報告しています。CB-GPTを利用することで、チームは新たなAIユースケースを迅速にプロトタイプ化しローンチできるようになります。これは、すべての従業員と顧客にAIアシスタントを提供するという同社のビジョンを支える取り組みです。
サポート効率と顧客体験の向上
カスタマーサポートのチャットボットは自動化を強化し、人間の介入なしでより多くの問い合わせを解決しています。また、このAIアシスタントは人間のエージェントによる平均処理時間を短縮し、より迅速なカスタマーサービスを可能にしました。
Claudeは、予測不可能な仮想通貨取引量とサポート需要を管理するという目的を達成しました。これにより、Coinbaseは高品質なサポートを維持しながらトラフィックの急増に対処できる柔軟性を得ることができました。
また、CoinbaseのAIツールにより、新入社員のオンボーディングプロセスがスピードアップし、サポートスタッフの生産性が向上しました。Mahadevan氏はその利点に関して次のように強調しています。「新しいエージェントは毎週加入し、適切なトレーニングと手順への習熟が必要となります。このエージェントアシストチャットボットは、ナレッジベースへのクエリを可能にし、多言語サポートを提供し、さまざまな非構造化テキスト入力を効率的に処理することで、オンボーディングを簡素化します」
AI機能を拡張して暗号通貨体験を変革
Coinbaseは、生成AIがビジネスを変革する可能性に期待を寄せています。今後の計画には、顧客データで強化したパーソナライズされたサポートの拡充、より多くの業務機能へのAIの適用、特殊なタスク向けのカスタムファインチューニングモデルの開発、暗号資産取引、セキュリティ、製品開発へのAIの応用の検討などが含まれます。
Mahadevan氏は、AIがCoinbaseとその顧客に与える影響について次のように説明します。「AIの導入により、さまざま職務の従業員が、毎週、数時間も時間を節約できるようになりました。これは単に同じ作業をより多く行うことではなく、新しい分野を探求することでもあります。これは、従業員にとって新たな価値と可能性を解き放つためのものです。私たちのビジョンは2つの側面を持ちます。AIですべての顧客と従業員の双方をサポートすることです」
Coinbaseは、Claudeを自社のミッションを達成するための重要なパートナーとみなしています。
30年に一度、企業のあらゆる機能に影響を及ぼすテクノロジーが登場します。これについては楽観的に見ており、そしてこのパワーをCoinbaseで利用できることに期待を寄せています。私たちは、ClaudeがCoinbaseに対し、さまざまな顧客セグメント向けのソリューションを構築を支援し、10億人の顧客を暗号経済に導く一助となると考えています。
— Coinbase、シニアエンジニアリングマネージャー、Varsha Mahadevan氏
動画のキャプション
動画のキャプション
動画のキャプション